無人の施設や屋外の設備に電話を置きたくても、固定電話回線を引きにくい。既存の電話回線を更新する時期を迎えた。そうした場面で選択肢になるのが、4G VoLTEに対応した業務用電話です。この記事では、その仕組みと導入メリット、選ぶときに確認したい項目を、SIM、通信エリア、費用、遠隔設定を中心に整理します。

4G VoLTE対応の業務用電話とは

VoLTE(Voice over LTE)は、4G LTEの通信網を使って音声通話を行う方式です。4G VoLTE対応の業務用電話は、この通信を使い、SIMを入れた端末だけで電話をかけられるようにした機器を指します。固定電話回線を引く必要がありません。

業務用では、受話器を取る、またはボタンを押すだけで、あらかじめ設定した相手に自動でつながる「ホットライン」の用途が代表的です。無人施設の問い合わせ窓口、ATMや駐車場のサポート電話、緊急時の連絡などで使われます。

KMAXのホットライン →

なぜ4G VoLTE対応の電話が選ばれるのか

  • 固定電話回線を敷設しにくい場所がある:無人施設、屋外の設備、一時的な施設など
  • 既存の電話回線を更新する時期を迎えた:回線の更改や、3Gサービスの終了に伴う通信設備の更新に合わせて、通信方式から見直す場合がある
  • 設置後の管理を現地に頼りたくない:拠点が多いほど、現地での設定変更や点検の負担が大きくなる

4G VoLTE対応の電話の仕組み

KMAXのルカテル(Lucatel)CML-200を例に、構成を整理します。

  • 通信モジュールにQuectel EC25Jを使い、4G LTEとVoLTEの音声通話に対応します
  • SIMはStandard SIMを使います
  • アンテナは、内蔵のメインアンテナを1本備えています。設置環境に応じて、外部のSMAアンテナを接続できます
  • 設定や状態の確認には、SMSを使います

利用者が受話器を取ると、端末が設定された電話番号へ発信し、4G/VoLTEの通信を経由して相手につながります。

4G VoLTE対応の電話の仕組み。利用者が操作すると、SIM入りの端末から4G/VoLTE通信を経由してコールセンター・管理者につながる。管理者はSMSで端末の遠隔設定・状態確認を行う

導入のメリット

1. 固定回線の工事を減らせる

固定電話回線の敷設や配線が不要なため、回線工事の範囲を小さくできる可能性があります。KMAXでも、ISDN/メタル回線の終了を課題としていたコインパーキング事業者が4G化し、工事の負担を抑えた導入事例があります。

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2. 設置場所の自由度が高い

固定電話回線を引きにくい場所や、屋外、一時的な施設にも設置しやすくなります。

3. 設置後の設定や管理を遠隔で行える

CML-200は、SMSを使って、設定の変更、設定の確認、状態の確認、再起動、電波状態の確認を行えます。KMAXでは、リモートメンテナンスのほか、スマートフォンやタブレットから設定できる設定アプリもご用意しています。設置後の設定変更を、現地作業だけに頼らずに進められます。

4. 業務に合わせた発信の設定ができる

CML-200は、時間・曜日・日付で発信先を切り替えるスケジュール機能(最大12プリセット)と、応答がない場合に次の発信先へかけるループコール(最大12件)を備えています。外部設備とつなぐ入力2系統・出力2系統のI/Oも備えています。

選ぶときに確認したいポイント

1. SIMの契約と通信の条件

SIMを装着できることと、その契約で正常に運用できることは別です。次の条件を、案件ごとに確認します。

  • 音声通話とVoLTEの契約
  • SMSの送受信
  • キャリアと利用エリア
  • APNと契約の条件
  • 発信と着信の条件
  • SIMが有効な状態であること

端末が対応するキャリアは機種によって異なるため、最新の状況は個別に確認が必要です。

2. 通信エリアと設置位置の電波

設置前に、利用予定のキャリアのエリアと、設置位置の電波状況を確認します。金属の筐体の内部、地下、ATMや精算機、制御盤の内部などは、電波が弱くなりやすい環境です。外部アンテナの利用を検討します。端末が対応する周波数帯があっても、設置場所の通信品質が保証されるわけではありません。

3. 費用の考え方

費用は、端末本体のほか、SIMの通信費、設置にかかる工事、外部アンテナなどのオプション、保守の費用に分けて考えます。固定電話回線の工事が不要になる分、工事費の構成が変わりますが、金額は案件ごとに異なるため、見積もりで確認してください。

4. 必要な機能

発信先の数、時間帯による切替、応答がないときの動作、外部設備との連携の有無を整理します。I/O通報では、複数の番号へ順番に発信するループコールは現行仕様で対応していないため、設計の際に確認が必要です。

5. 設置環境

屋外か屋内か、壁掛けか卓上かによって、必要な機種が変わります。屋外の設置では、防水・防塵の等級や温度の範囲を確認します。

6. 遠隔設定と保守

設定の変更や再起動を遠隔で行えるか、故障時の返送修理や代替機の提供があるかは、運用の負担に影響します。

リモートメンテナンスと保守サポート →

設置後の確認と、通信障害のときの切り分け

設置後は、次の項目を確認します。

  • SIMが認識されていること
  • ネットワークへの接続
  • 発信と着信
  • 音声品質
  • SMSによる遠隔管理

通信に不具合が出たときは、次の順で切り分けます。

  1. 電源
  2. SIMの認識と契約
  3. ネットワークへの接続
  4. アンテナと設置環境
  5. 電波の状態
  6. キャリアのサービス状況

活用例(用途の例)

以下は用途の例です。

  • ATM・駐車場のサポート電話:利用者が、遠隔の窓口に問い合わせる
  • 無人施設の連絡窓口:スタッフが常駐しない施設から、管理者へ連絡する
  • 設備異常の通報:設備の信号をきっかけに、保守担当者へ自動で発信する

KMAXで実現できる構成

KMAXのホットラインは、4G-VoLTEの通信で現場と遠隔の担当者をつなぐソリューションです。ルカテル CML-200は、4G LTE/VoLTE、スケジュールによる発信先の切替、ループコール、SMSによる遠隔設定、2入力・2出力のI/Oを備えた、ホットラインの中核の製品です。ハンズフリーのインターコムCIT-200やCIT-25S、タクシー呼出のライドホンなど、用途に応じた機種もあります。外部の設備の信号を取り込むI/O HUBや、受付をAIやオペレーターに広げるCall Pointとの連携も検討できます。最新の仕様や対応するキャリアは、個別にご案内しています。

ルカテル CML-200の詳細を見る →

まとめ

4G VoLTE対応の業務用電話は、固定電話回線に頼らずに、受話器を取るだけで決まった相手につなげる電話です。選ぶときは、SIMの契約、通信エリアと設置位置の電波、費用の構成、必要な機能、設置環境、遠隔設定と保守を確認してください。

現在の設備を4Gに切り替えられるか、どの機種が合うかは、設置状況によって変わります。まずはご状況をお聞かせください。