店舗外のATMコーナーには、操作に迷った、カードや通帳に問題が起きた、ATMが動かないといった利用者のために、問い合わせ用の電話が置かれていることがあります。設置から年数がたつと、通信回線の更改や設備の更新が課題になります。この記事では、ATMコーナーの問い合わせ電話を見直すときの、通信方式の選択肢と運用のポイントを整理します。
ATMコーナーの問い合わせ電話とは
ATMの利用者と、離れた場所にあるサポート窓口をつなぐ専用の電話です。利用者が受話器を取る、またはボタンを押すと、あらかじめ設定した窓口に自動でつながります。電話番号を調べる必要はありません。
流れは、次のとおりです。
- ATMの利用者が受話器を取る、またはボタンを押す
- 端末が、設定された窓口へ自動で発信する
- 4G LTE/VoLTEの通信を経由して、ATMの対応窓口につながる
KMAXのルカテル(Lucatel)CML-200は、このATM用途が主要な用途のひとつです。
なぜ今、見直しが必要なのか
見直しのきっかけは、主に次のようなものです。
- 通信回線の更改:固定電話回線を前提とした設備では、回線サービスの見直しにあわせて、通信設備の更新が必要になる
- 通信設備の更新:3Gサービスの終了などに伴い、使っている通信方式を切り替える必要が生じる
- 拠点の増加と管理の負担:拠点が多いほど、設定の変更や点検を現地で行う負担が増える
- 応答体制の見直し:夜間や休日の応答先、委託先との役割分担が変わる
KMAXのホットラインでも、都市銀行のATMコーナーのサポート電話を更新した導入事例があります。課題は通信設備の更新で、既存の環境から移行する形で対応しました。
ATMコーナーのサポート電話の事例を見る →通信方式の選択肢と考え方
問い合わせ電話の通信方式は、大きく分けて、固定電話回線を使うものと、モバイル通信(4G-VoLTE)を使うものがあります。
固定電話回線を使う場合は、回線の引き込みや配線の工事が必要で、回線サービスの変更の影響も受けやすくなります。モバイル通信を使う場合は、固定電話回線を引きにくい場所にも設置しやすく、回線の更改に左右されにくい構成にできます。一方で、設置場所の電波状況や、SIMの契約内容の確認が必要です。
どちらが適しているかは、現在の設備、設置場所、運用体制によって異なります。見直しの際は、現状を洗い出したうえで比較してください。
4G VoLTE対応の業務用電話とは? →見直しで確認したい6つのポイント
1. 現在の設備と回線の洗い出し
どの拠点に、どんな電話機が、どの回線で設置されているのかを一覧にします。回線の種類、設置年、発信先、保守の契約をそろえておくと、移行の優先順位をつけやすくなります。
2. 応答する窓口と時間帯
平日の日中は自社の窓口、夜間はコールセンター、休日は外部の委託先、というように、時間帯で応答先が変わる運用は珍しくありません。CML-200には、時間・曜日・日付で発信先を切り替えるスケジュール機能(最大12プリセット)と、応答がない場合に次の発信先へかけるループコール(最大12件)があり、端末側で設定できます。
3. 電波とアンテナ
ATMの筐体の内部や、金属で囲まれた場所、地下のコーナーでは、電波が弱くなることがあります。その場合は、外部アンテナ(SMA)の利用を検討します。対応する周波数帯があっても、設置場所での通信品質は保証されないため、設置前後に実機で確認します。
4. SIMの契約
音声通話とVoLTE、SMSの送受信、利用するキャリアとエリア、APNなどの条件を、拠点ごとに確認します。SIMを装着できることと、その契約で正常に使えることは別の問題です。
5. ATM設備との連携
ATMの異常信号を電話の通報につなげたい場合は、接点入出力(I/O)の利用を検討します。CML-200は、入力2系統・出力2系統を備えています。ただし、接続するATM側の条件や、電気的な仕様の確認が必要です。
電話機と外部設備の連携の仕組みを見る →6. 遠隔での管理と、複数拠点の運用
拠点が多い場合は、現地に行かずに状態の確認、設定の変更、再起動を行えるかが運用の負担を左右します。CML-200は、SMSを使った設定変更・状態確認・再起動・電波状態の確認に対応しています。複数拠点の管理には、遠隔管理や、コールセンターシステムのCall Pointとの連携で対応できます。
移行を進めるときの流れの例
以下は、一般的な進め方の例です。
- 現状の洗い出しと、移行の対象・優先順位の決定
- 通信方式、端末、発信先、運用体制の設計
- 設置位置での電波の確認と、SIMの契約の準備
- 設置と、発信・着信・音声品質・遠隔管理の確認
- 窓口側での受電の確認と、運用の開始
既存設備を一度に入れ替えず、拠点ごとに段階的に進める方法もあります。
切り替え時に注意したいこと
- 切替中も連絡手段を保つ:旧端末から新端末へ切り替える間も、利用者が連絡できる状態を保てるよう、拠点ごとに切替の日時を決め、切替の前後に発信を確認します
- 窓口側の把握:どの拠点からの着信かを、窓口の担当者が把握できる運用を、事前に決めておきます
- 運用の記録を残す:端末の製造番号、SIMの識別番号、電話番号、キャリア、APN、契約の状態、設置場所、電波の確認結果などは、拠点ごとに運用台帳として管理しておくと、障害時や契約の見直しの際に役立ちます
KMAXで実現できる構成
KMAXのルカテル CML-200は、4G LTE/VoLTEで固定電話回線を使わずに、ATMの利用者と窓口をつなぐ端末です。スケジュールによる応答先の切替、ループコール、SMSによる遠隔設定、入力・出力のI/Oを備えています。設置後の保守では、リモートメンテナンス、返送修理、代替機の提供を案内しています。最新の仕様や対応するキャリアは、個別にご案内しています。
ルカテル CML-200の詳細を見る →まとめ
ATMコーナーの問い合わせ電話を見直すときは、現在の設備と回線の洗い出しから始め、応答する窓口と時間帯、電波とアンテナ、SIMの契約、ATM設備との連携、遠隔での管理と複数拠点の運用を確認します。通信方式は、固定回線とモバイル通信を、設備と運用の条件に照らして比較してください。
現在の設備を更新できるか、どの端末が合うかは、設置状況によって変わります。まずは現状をお聞かせください。