病院の出口や駅前、商業施設の入口などで、タクシーを呼びたい人は少なくありません。スマートフォンで配車を頼む方法もありますが、操作や電話番号の検索が負担になる人もいます。そうした場面で使われるのが、受話器を上げるだけでタクシー会社につながる「タクシー呼出専用電話」です。この記事では、その必要性、仕組み、設置場所、導入時の確認点を整理します。

タクシー呼出専用電話とは

タクシー呼出専用電話は、受話器を上げると、あらかじめ設定した配車先へ自動で発信する電話機です。利用者は電話番号を調べたり入力したりする必要がありません。

KMAXのライドホン(Ride Phone)は、このタクシー呼出の用途を中心にした4G LTEの電話機です。操作パネルと看板を備えており、利用者に場所とサービスを案内します。

なぜ、タクシー呼出専用電話が必要なのか

利用者にとっての理由

タクシーを呼ぶには、配車先の電話番号を調べ、自分の居場所を伝える必要があります。専用電話があれば、受話器を上げるだけで済みます。アプリのダウンロードや会員登録も不要です。

施設にとっての理由

病院、駅、商業施設、公共施設などでは、来訪者からタクシーの手配を頼まれる場面があります。専用電話を置けば、来訪者が自分で配車を依頼できるため、受付や職員が代わりに電話をかける手間を減らせる可能性があります。

タクシー事業者にとっての理由

設置場所ごとに発信先を設定できるため、特定の施設や場所からの呼び出しを受ける窓口として運用できます。

仕組み:受話器を上げてから配車先につながるまで

  1. 利用者が受話器を上げる
  2. 電話機が、設定された配車先の番号へ自動で発信する
  3. 4G LTE(VoLTE)の通信を経由して、タクシー会社の配車窓口につながる
タクシー呼出専用電話による配車の流れ。病院・駅・商業施設などの利用者が受話器を上げると、呼出電話(ライドホン KRP-101/KRP-102)から4G/VoLTE通信を経由してタクシー会社の配車窓口につながり、配車される

固定電話回線の工事が不要なモバイル通信を使うため、電話回線を引きにくい場所にも設置しやすくなります。現地に行かなくても設定の変更やトラブルの対応ができる、リモートメンテナンスにも対応しています。

ホットライン電話とは?仕組み・用途・一般電話との違い →

主な設置場所

設置場所の例としては、病院、ホテル、スーパーマーケット、道の駅、自治体の窓口、駅、老人ホーム、公共施設、観光施設などがあります。タクシー呼出の用途では、病院や駅、商業施設に設置された実績も確認できます。

施設ごとの設置の考え方(例)

以下は、設置を検討するときの一般的な視点であり、製品仕様ではありません。

  • 病院:患者や付き添いの方が通る出口の近くで、乗降場所から離れすぎない位置。車いすの方や、体力が落ちている方でも手が届き、使いやすいかを確認する
  • 駅:乗り場や改札の付近で、初めて訪れた人にも見つけやすい位置。看板や表示で、何の電話かが一目で分かるようにする
  • 商業施設:入口や出口の付近。買い物の荷物で手がふさがっていても使いやすいか、人の流れを妨げないかを確認する

導入時に確認すべきポイント

1. 設置場所と台数

どの場所に、何台置くのかを決めます。病院の出口、駅の改札付近、商業施設の入口など、利用者が見つけやすい位置が重要です。

2. 発信先の設計

一つの配車先に発信するか、行き先別に複数の連絡先を選べるようにするかを決めます。複数のボタンを備えた機種では、用途に応じて最大6つの呼出先を設定できます。

3. 設置場所の特定方法

配車側で、どの場所からの呼び出しかを把握できるかは、運用の要です。KMAXのCall Point タクシーでは、呼出電話ごとに固有の電話番号を付与し、入電時に設置場所を特定できると案内しています。設置場所の特定方法は、配車の受付体制に合わせて設計します。

4. 通信と電波

モバイル通信を使うため、設置場所の電波状況の確認が必要です。建物の中で電波が弱い場所では、延長アンテナを接続して回線を安定させる方法があります。SIMの契約が音声通話(VoLTE)に対応しているかも、事前に確認します。

4G VoLTE対応の業務用電話とは? →

5. 表示と案内

利用者が迷わず使えるように、操作パネルや看板の表示、色、案内の言語を検討します。ライドホンでは、ボタンの周囲の点字表示や、外国人の利用者への配慮も取り入れています。看板は、オリジナルのデザインにも対応できます。

6. 屋内か屋外か

KRP-101は卓上に置くタイプです。屋外に設置する場合や、水に強い筐体が必須の場合は、屋外用のフードケース、防水ケースに入れて使用します。

7. 設置後の保守と記録

状態の確認や設定の変更を遠隔で行えるか、故障時の対応はどうなるかも、運用の負担に影響します。呼出履歴や稼働状況を記録し、運用の改善に活用することもできます。

導入で期待できること(機能面)

具体的な効果は、設置場所や運用によって異なります。ここでは、機能から期待できる点を整理します。

  • 利用者:電話番号の検索や入力が不要になり、受話器を上げるだけで配車を依頼できる
  • 施設:来訪者が自分で配車を頼めるため、職員が代わりに手配する場面を減らせる可能性がある
  • タクシー事業者:設置場所ごとの窓口として、呼び出しを受けられる

KMAXで実現できる構成

KMAXのホットラインの製品のうち、ライドホンには、KRP-101とKRP-102があります。

  • KRP-101:受話器を上げると設定済みの連絡先へ発信する、卓上タイプの4G LTE呼出電話。操作パネルと看板を備え、白・青・緑・黄の色から選べる。外部のI/Oやシリアルは備えていない
  • KRP-102(ライドホン マルチ):受話器と複数の発信ボタンを備え、行き先別の連絡先を選べる

配車の受付側の効率化を検討する場合は、タクシー事業者向けのCall Point タクシーも案内しています。設置環境や運用に合わせた機種の選定は、個別にご相談ください。

ライドホン(Ride Phone)の詳細を見る → ホットラインの製品ラインアップ →

まとめ

タクシー呼出専用電話は、受話器を上げるだけで配車先につながり、利用者と施設、事業者の負担を減らすための設備です。導入の際は、設置場所と台数、発信先の設計、設置場所の特定方法、通信と電波、表示と案内、屋内外の条件、保守の方法を確認してください。

設置場所や運用に合わせた構成をご検討の際は、お気軽にご相談ください。